北極のナヌー ~監督・カメラマン / アダム・ラヴェッチ,サラ・ロバートソン~
ついに見ました。ナヌー。 今北極ではどのような事が起こっているかという、現実をそのまま映し出した映画です。
面白いとか、楽しいとか、悲しいとか、そういった感情を与えられていないと映画を見た充実感を得にくい部分は正直あると思うけど、今回はそれをいっさいなしにして挑みました。
そういう映画だから。 野生動物達が昔から何千・何万回とくりかえしている生命の営みを理解しやすく見せてくれます。
シロクマのかわいい赤ちゃんナヌーとセイウチの赤ちゃんシーラの約十年に渡る営みを通して物語は進んでいきます。 (撮影隊がなんせすごい! 走って、泳いで、雪まみれ、
汗まみれで撮影している。。その情熱にもはや拍手です。)
撮影隊のドキュメンタリーも見たい。(両監督はパートナー同士でもある)
赤ちゃん達は厳しい自然、食うか・食われるか、仲間達との共存などを大きくなるごとに経験し学んでいきます。
私がまず感じたのは、人間(私)てどうなん?
見えないから知らんかった。っていうんはもはや、あり? だった。
彼ら野生動物の厳しさってはかりしれないな。と再認識。
人間も生きるのは必死だけど、さらに人間より様々な道具や技術、計算なんかをもちあわせる事の少ない裸の動物ってさらに必死。
ずっと叫ばれてるように北極の氷は確実に固まりにくくなり、解けやすくなっている。
映像ではリアルにそれが映っていました。
そんな環境の変化にとまどっている動物達の顔が本当に印象に残った。
自分は何もしていないのに、いきなり自分の親しんだ自然に急にそっぽをむかれて困惑する表情。
シロクマ・セイウチなどもいくら泳げても、ずっと寒い海にはいれない。
彼らが必死な生き様を本当にリアルに撮影されていて、ちょっと私はぞっとした。
人間だけが生きるのに必死なわけではなく、そのずっと昔から厳しい自然の営みを乗り越え続けて生きてきた動物がいる。 困難な状況にありながらも、昔からながれている本能としての母性で種を残していこうとする母親動物たち。
正直本当に交差しあったり、せめぎあっているんだと思った。
だからまず理解しあって、何かしていきたいと思った映画だった。